社員研修を外部に依頼するときの注意点｜社員研修ドットコム

社員研修を外部に依頼する、つまり研修会社に外注して委託することを考えている経営者や人事部長もいらっしゃると思います。そうすることによるメリットは大きいのですが、もちろん注意点もあるので、その点についてご説明します。

社員研修を外部に依頼するときの注意点

社員研修を外部に依頼する場合に注意すべき点について、7つの項目に分けてご説明したいと思います。

社員研修の対象や目的を明確にする

社員研修を外部の研修会社などに依頼する場合は、社内講師で実施する場合以上に、社員研修の対象や目的を明確にする必要があります。対象や目的によって、最適な依頼先を選ぶ必要があるからです。

また、どんなに優れた研修会社や講師でも、事前に相手の要望が明確にわからなければ、的確な社員研修を行うことは困難だからです。対象や目的をしっかり決めて、研修依頼先に適切に伝えることが大切です。

コストパフォーマンスを考えて依頼する

社員研修を外部に依頼する場合に、多くの研修会社から見積もりを取って、料金がいちばん安い研修会社に依頼する会社があります。その気持ちはよくわかりますが、これは明らかに間違いです。

安かろう悪かろうの研修であれば、行わないほうがよいからです。依頼先を選定する上で、最も重要なことは、豊富な実績があり、質の高い研修を行ってくれるかどうかです。絶対額ではなく、コストパフォーマンスで選ぶようにします。

社員研修のカスタマイズについて話し合う

コスパが高くて信頼できる研修会社を選んだら、研修のカスタマイズに取り組みます。現実的には、社員研修を自社でゼロから組み立てることはほとんどなく、研修会社のプログラムをベースにカスタマイズすることが通常です。

具体的に言うと、依頼した研修会社から提示された研修カリキュラムや研修内容を基に、自社に合うように若干だけ手を加えてもらうというパターンになります。セミオーダーのようなイメージです。

研修内容や料金などを明文化しておく

研修を依頼した会社とのすり合わせが済んだら、その依頼先と、研修プログラムや研修カリキュラム、ならびに料金などを明確にして、詳細な合意を行うことが必要です。そして、明文化して契約します。

いくら信頼できる依頼先だからといって、決して社員研修を丸投げしてはいけません。自社の研修に対する思いや要望をしっかり伝えて、研修会社の考えにも真摯に耳を傾け、双方が納得した上で契約を進めることが重要です。

機密保持に関しても契約しておく

社員研修では、企業の機密情報などを表示する場面が生じる可能性が高いです。依頼先側からも教材などの知的財産を守るように要求されるはずです。双方の機密情報が漏洩しないように、契約書に機密情報の保持を盛り込んでおく必要があります。

通常、研修を依頼した会社とは、1回の研修のみで終わることは少なく、同じ研修を反復したり、継続して別の研修を実施する機会が生じると思います。それゆえ、機密保持契約は、独立して契約書にしておくことが望ましいです。

社員研修を依頼する会社とコミュニケーションを図る

社員研修の契約が完了した後も、依頼先とは円滑なコミュニケーションを図ることが大切です。研修のスケジュール、研修内容、参加者の感想などを両者で共有化します。

研修途中での講師からの依頼側の研修に対する姿勢や、参加メンバーに対する印象などを率直に聞いて、改善すべき点にはすぐに取り組むようにします。双方でより良い社員研修にするための努力をすることが大切です。

社員研修は研修後のフォローが重要である

予定した社員研修のプログラムが終了したら、依頼先の講師とミーティングの機会を設置します。参加メンバーの感想文などを提示すると共に、自社からの印象を講師に伝えて、講師からも忌憚のない意見を言ってもらうようにします。

社員研修を実施すると、必ず自社の課題が浮き彫りになりますので、それを整理して改善することが重要です。コンサルタント会社に研修を依頼した場合は、研修終了後に課題解決のコンサルティングを依頼すると効果的です。

まとめ

先ほども述べましたが、社員研修はいくら相手が信頼できる研修会社だったとしても、丸投げしてはいけません。社員研修の対象や目的を明確にして依頼先に伝えて、自社に適した研修を実施してもらうことが大切です。

社員研修に対する意識が薄い会社だと、研修期間中に部門長などが同席しない場合がありますが、これでは研修の効果が半減します。社員研修は、自社の課題を浮き彫りにするチャンスだからです。

社員研修を外部に依頼する大きなメリットは、良質な研修を実施してもらえることはもちろんですが、それに加えて、外部の第三者の視点から、自社の抱える課題を見える化してもらうことにあるのです。