社員研修の企画書の作り方について|社員研修ドットコム

社員研修の企画書の作り方についてご説明します。社員研修を実施しようとするときは、事前に企画書を作成して稟議を通すことが必要だと思います。そんなときに参考にしていただければと思います。綿密な企画書を作成することには、様々なメリットがあります。

社員研修の企画書の作り方について

企画書の作成

社員研修の企画書を作成するに当たって、盛り込むべき事項と注意点を、7項目に分けて詳しくご説明します。

社員研修の目的と目標を明確に記載する

社員研修の企画書を作成するには、冒頭に社員研修の目的と目標を明確に記載することが重要です。社員研修ドットコムでは、社員研修全体の目的は「コンプライアンスを重視した上で、会社の売上と利益、及び生産性を高めることができる人材を育成すること」と定めています。

目的では、なぜこの研修を行う必要があるのか?企業戦略やニーズ、企業が抱えている課題と、どのように関連するのかを明確に示します。目標は具体的で測定可能な成果物や結果を示します。個々の研修に応じた、目的や目標をできる限り具体的に決めることが必要です。

社員研修の内容や研修カリキュラムを記載する

参加メンバーが得るべき知識やスキルを明確に示した上で、それを実現するための社員研修の内容や研修カリキュラムを作成して記載します。研修カリキュラムを作成するには、まず社員研修の参加メンバーに提示するトピックやモジュールのリストを作成することから始めます。

各項目の詳細な説明や学習方法、実践的な演習やグループワークなども盛り込むようにします。研修カリキュラムは、時間配分やスケジュールも含めて作成します。可能ならば、社員研修を依頼する講師を想定して、その講師の特性に合わせて検討するとよいでしょう。

社員研修の費用と予算を見積もって記載する

社員研修の企画書には、研修の費用と予算についても記載する必要があります。会場費、講師料金、教材や資料の調達費など、社員研修の実施に関わるすべての費用をもれなく見積もることが大切です。社員研修ではコストパフォーマンスを重視しなければなりません。

もしあらかじめ想定していた予算を上回るようでしたら、必要項目に優先順位をつけて、いずれかの項目の費用を抑え込む必要があります。例えば、会場費は選択肢も多いので、比較的、費用を抑えやすいと思います。講師の品質を下げるのは、極力避けたほうがよいです。

社員研修の実施方法と期間について記載する

社員研修

研修プログラムを作成するときに、概要は検討していると思いますが、費用や予算と対比して、改めて実施方法と期間を見直します。例えば、参加人数を増やして回数を減らすことも可能です。また、対面研修からオンライン研修に切り替えれば、会場費は大幅に節約できます。

研修期間についても、研修プログラムを2泊3日で検討していたものを、内容を凝縮しえ、1泊2日に縮小できないかなどを検討します。また、前期と後期に分けて実施するなど、1度の出費を抑えて、費用対効果が高まるように、研修の実施方法と期間を見直すことが大切です。

参加者の選定と効果測定について記載する

社員研修に参加させる社員の選定基準や人数、その理由などを明示します。研修テーマにもよりますが、参加メンバーが特定の人たちに偏らないように、全体のバランスを取れるように決めていきます。選定基準を明確にすることで、社員への不公平感を低減することができます。

また、参加メンバーの事前調査や、フォローアップ調査なども計画しておき、あらかじめ参加メンバーからのフィードバックを集める方法などについても決めておきます。このようにして、研修の効果を測定する方法についても、できるだけ企画書に盛り込んでおきます。

リスク管理と対策について記載する

何事においてもリスク管理と対策は重要ですが、社員研修も例外ではありません。たとえば、講師や参加メンバーが交通障害などで急にこられなくなった場合なども想定して対策を考えておきます。普通ならば起こらないことを想定して準備するのがリスク管理です。

また、オンライン研修の場合、技術的なトラブルなどで研修実施が困難になった場合の対応や、代替え措置などについても検討しておきます。あらかじめ予測できるリスクについては、万が一を想定して、できる限り検討した上で、企画書に対策を記載しておくことが大切です。

社員研修の効果測定とレポートについて記載する

社員研修の最終的な効果測定の方法やレポートの提出方法についても企画書に明示しておきます。参加メンバーがどのような成果物を提出するのか、評価基準や評価者の設定、評価結果のフィードバック方法などを具体的に示します。研修は実務に役立つことを強調します。

また、社員研修終了後の研修の効果や改善点をまとめたレポートをいつまでに作成して、その項目はどのようにするのかも、あらかじめ決めておきます。社員研修は、何度も繰り返し実施して、改善を積み重ねることが重要だからです。次回の研修に備える必要があります。

綿密な企画書を作成することのメリット

社員研修を実施する際に、綿密な企画書を作成すると、どんなメリットが得られるのでしょうか?主要な5ポイントに絞ってご説明したいと思います。

研修計画の透明性が確保でき共有しやすくなる

綿密な企画書を作成することで、研修の目的、内容、スケジュール、予算などが明確になります。これにより、関係者全員が計画を理解しやすくなり、共有しやすくなります。透明性が確保されることで、参加者や関係者は研修に対する期待を理解し、協力しやすくなります。

目標設定と評価基準の明確化ができる

企画書を通じて、研修の具体的な目標と期待される成果を定義することができます。また、参加メンバーの評価基準や研修の成果を評価する方法も示すことで、研修の成功を客観的に評価しやすくなります。

リソースの効果的な活用ができる

企画書を作成する過程で、必要なリソース(人員、予算、施設など)を洗い出し、効果的に活用する方法を検討することができます。これにより、無駄なコストの削減や適切なリソースの配置が可能になります。

リスクの予測と対策ができる

綿密な企画書は、研修実施に伴う潜在的なリスクを洗い出し、それに対する対策を計画する手段となります。予期せぬ問題に備え、適切な対応策を用意することで、研修の円滑な進行が期待できます。

関係者の合意形成がしやすくなる

企画書は関係者とのコミュニケーションツールとして機能します。研修に関与するすべてのステークホルダーが同じ情報を共有し、意見や提案を交換することができます。これにより、関係者間での合意形成が進み、より良い研修の実現に向けた協力が得られます。

まとめ

今回は、社員研修を実施するに当たっての企画書の作成についてご説明しました。経営者からの鶴の一声で始まった社員研修だったとしても、その意図を具現化した企画書を作成して、稟議に図ることが必要です。

社員研修は、思いつきで、ただ何となく実施しても、思ったような効果は得られません。事前準備が重要です。社員研修の企画書は、まさしくこの事前準備を明文化して提示することにほかなりません。

社員研修の企画書は社内で作成するのですが、可能であれば、研修を依頼する外部の研修会社や、実際に担当する講師と相談した上で、最終的な企画書を完成させることが望ましいと考えます。

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