社員研修において、挨拶は非常に重要です。誰が、いつどのようなタイミングで、どんな内容で、挨拶を行えばよいかについて詳しくご説明します。併せて、実際の社員研修における挨拶事例のご紹介も行います。
社員研修の挨拶の効果的なやり方と挨拶事例の紹介
社員研修の挨拶の効果的なやり方と挨拶事例の紹介について、7つの項目に分けて詳しくご説明します。
社員研修の挨拶は誰が行うと効果的か
社員研修の挨拶は、人事部の研修担当者、参加メンバーの所属する部門長、経営者や役員などが行うのが一般的です。社員研修のテーマや内容にもよりますが、時間さえ許せば、できる限り経営者や役員などが挨拶を行うことが望ましいです。
その理由は、社員研修が会社として重要な位置付けにあることを、信頼性や影響力の大きい人物から示してもらうことで、参加メンバーのモチベーションが高まるからです。挨拶をする人と、研修の説明をする人をきちんと分けることが大切です。
社員研修の挨拶はいつどのようなタイミングで行うのか
社員研修の挨拶を行うタイミングは、研修の冒頭、研修の途中、研修の終了時の3回あります。可能であれば、研修の冒頭に経営者や役員に挨拶してもらうことが望ましいです。事前に経営者や役員と内容のすり合わせを綿密にしておきます。
もし、冒頭の挨拶がスケジュール的に難しければ、研修の途中か研修の終了時でもよいから、スケジュール調整をして、できるタイミングで挨拶をしてもらいます。経営者や役員が冒頭で挨拶したら、研修終了時には直属の部門長が行います。その逆でも構いません。
社員研修の挨拶の内容に研修の目的と重要性を盛り込む
社員研修の挨拶の内容には、研修の目的と重要性を盛り込みます。研修の目的に関しては、研修でどのような知識やスキルを習得してもらいたいのかを明確に語ります。時々、研修と無関係の話をする人がいますが、これでは逆効果です。
そして、会社として、なぜ既存のレベルでとどまっていてはいけないのか、新しい知識やスキルの習得が必要なのかを、できる限りわかりやすく説明するようにします。会社のビジョンや目標と研修の目的を関連づけて語ると効果的です。
社員研修の挨拶の内容に参加メンバーへの期待を盛り込む
参加メンバーに日頃の努力をねぎらい、感謝を述べます。そして、参加メンバーが今まで以上に効果的に業務を遂行できるようになることで、企業の目標に貢献できることを期待する旨を伝えます。研修は社員のキャリアアップの機会となることを理解させます。
会社として、参加メンバーにどのような目標を持ってもらいたいのか、どのようになってもらいたいのかを、できるだけ具体的に語って、今回の研修が、キャリア形成にどのように役立つのかを語ります。社員の成長を期待していることを強調します。
社員研修の挨拶の内容に参加メンバーに対するサポートを盛り込む
今回、実施する社員研修は、研修のための研修ではなく、実務に直結する内容であることを強調します。そして、会社として、参加メンバーの能力アップを全面的にサポートすることを約束します。研修は業務の一環であることを意識づけます。
研修プログラムは、専門知識を持った質の高い講師陣によって構成されていること、社員研修は継続して実施すること、参加メンバーは適切なフィードバックや指導を通じて、研修中および研修終了後も、個別のサポートを受けられることなどを伝えます。
社員研修の冒頭の挨拶の事例紹介
新入社員研修の冒頭の挨拶の事例をご紹介します。「新入社員の皆様、ようこそ〇〇会社へ。私たち経営陣一同は、皆様方が私たちのチームに加わることに、大きな喜びを持っています。
この研修を通じて、皆様には会社のビジョンや価値観、業務内容などについて学んでいただきます。私たち経営陣は、新入社員の皆様が当社において成功しキャリア形成ができるように、全力をあげてサポートする所存です。
皆様のこれからの努力がむくわれるように、私たちは強固な基盤を築いていきます。皆様の情熱とエネルギーに満ちた仕事ぶりを期待しております。もし不明な点があれば、先輩や上司に何でも質問してください。
新入社員の皆様を心より歓迎いたします。一緒に素晴らしい未来を築いていきましょう。」
社員研修の終了時の挨拶の事例紹介
社員研修の修了時の挨拶の事例をご紹介します。「研修に参加して頂いた皆様、研修お疲れ様でした。そして、講師を務めて頂いた〇〇先生に心より感謝を申し上げます。
今回の研修を通じて、皆様は大きく成長したと思います。私たち経営陣は、皆様が研修プログラムを通じて新たなスキルや知識を身につけ、会社においてさらに大きな貢献ができるようになったことを誇りに思っています。
これからは、研修で学んだことを、日々の業務に活用して、会社の成長に貢献してください。また、研修で学んだ内容が大きく波及していくように、研修内容を周囲の人に伝えて、チームワークを大切にして共に目標に向かってください。
私たち経営陣も、今回の研修内容を踏まえて、皆様の成長を支えるために全力を尽くす所存です。これからも、全社一丸となって、共に働き、会社を発展させて、社員全員が豊かになれるように努力していきましょう。」
まとめ
今回は、社員研修の挨拶に焦点を当てて、誰が、いつどのようなタイミングで、どんな内容で行えばよいかなどをご説明しました。社員研修でいちばんやってはいけないことは、経営陣が一度も顔を見せないことです。
社員研修は、人事担当者がやればよい、講師に丸投げすればよいという姿勢であっては、絶対にいけません。人材育成は経営者の最大の仕事であり、経営者の指示のもとに人事担当者が研修を開催するのであり、講師に依頼するのです。
したがって、総責任者である経営者あるいは担当役員は、社員研修に関心を寄せ、顔を出すのは当然なのです。経営者や担当役員として、今回の研修に何を期待しているのかを、自分の口で語ることが必要です。
経営陣の挨拶は、これから研修がスタートする冒頭がいちばんよいのですが、それが無理ならば、研修の途中でも、終了時でもよいから、経営者や役員が必ず挨拶を行うようにします。理想は、冒頭と終了時の両方に挨拶を行うことです。
そして、経営者や役員は、事前に研修内容をよく理解しておき、研修内容と連動した内容で挨拶を行うことが重要です。せっかく挨拶をしたのに、研修内容とずれている場合も見受けられるからです。そうなったら、逆効果になります。
人材育成は企業の最重要課題です。貴重な時間を使って社員研修を行うのですから、参加メンバーのモチベーションを高めて、効果のあるものにする必要があります。経営陣の挨拶は、そのために大きな効果を発揮するのです。
以上のことは、机上の概念で申し上げていることではなく、過去の社員研修の経験から、成長を続ける企業は、経営陣が冒頭で挨拶をして、オブザーバーとして短時間でも研修を見守っていたことが多いからです。
短い言葉であっても、講師に何を期待しているのか、経営陣が自ら語っていました。これらの行動により、講師も参加メンバーも社員研修に対して、一段とモチベーションが高まるのです。必然的に研修の効果もさらに高まります。
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