営業管理者の心得|社員研修ドットコム

企業としての営業実績を高めるためには、営業管理者 が優秀で魅力的である必要があります。営業管理者の育成が重要です。ただし、営業社員とし て業績が高いだけでは、営業管理者は務まりません。ここでは、企業の要である営業管理者の心得をご説明したいと思います。

営業管理者の心得について

営業管理者の心得

営業管理者の心得を重要な5ポイントに絞ってご説明します。ぜひお役立てください。

営業管理者の心得1:営業管理者の基本的な考え方

営業管理者

営業管理者の心得1は、「営業管理者の基本的な考え方」です。営業管理者は部下を活かして、部下の能力を引き出すことにより、チームとしての業績を高めることが仕事です。基本的な考え方は、部下の価値観を知ることです。

部下の価値観を知ることがスタート

人には、それぞれ異なった価値観があります。例えば、給料の大半を注ぎ込んでも高額な車に乗りたいとか、休みの日には何が何でもゴルフに行きたいなどです。

残業して仕事をするほうを優先する人と、給料が下がっても自分の時間を優先する人がいます。営業管理者になって部下を持ったら、部下の価値観が何なのか。何を優先して求めるのかを知っておくことが大切です。

部下の価値観の中で、仕事の優先順位を高める

本人の価値観の中で、仕事の優先順位が低い部下とは、腹を割って話すことが必要です。職場の人間関係が悪いから、仕事の内容に興味が持てないから、頑張っても 評価されないからなど、仕事の優先順位を低めている理由が必ず見つかるはずです。

1人1人の部下に応じて、仕事の優先順位を下げている理由を取り除いてあげれば、自ずと仕事の優先順位が高まり、自分から良い方向に動きだすようになります。

部下を自分の思い通りに動かそうなどと思ってはいけない

部下を思い通りに動かす、これは営業管理者の理想かもしれません。しかし、このような考え方は間違っています。他人を自分の思い通りに動かすなど、所詮不可能なのです。

部下が自ら動きたくなるような環境を作ることこそが、営業管理者のやるべきことなのです。誰だって、他人に強制的に動かされるよりも、自らの意志で自発的に動くほうが、持てる能力をフルに発揮できることは確かなのですから。

営業管理者の心得2:営業管理者の仕事の進め方

営業管理者

営業管理者の心得2は、「営業管理者の仕事の進め方」です。営業管理者は、部下を効率よくフルに活動させることが大切です。そのためには、部下の特性に応じて、適切に仕事を割り振り、遂行をきちんと管理することです。

営業管理者は、部下に可能な限り仕事を割り振る

営業管理者の役割は、部下を通して仕事の成果をあげることです。そのためには、何でも自分で抱え込むことは避けて、できる限りの仕事を部下に割り振ることが大切です。

極端に言えば、自分の仕事をすべて割り振って、自分の仕事をゼロにすることが望ましい姿です。これは簡単なようで難しいことです。自分でやったほうが速く上手にできるからです。仕事を部下に完全にまかせて我慢するのは、とても勇気がいるからです。

営業管理者は、部下にきっちりと報告をさせる

仕事をまかせるためには、権限委譲が必要です。権限とは分かりやすく言えば、決定権のことです。つまり、ある程度の範囲までは、部下が自ら決定していいよということです。

人は権限をもたされるとやる気が倍増するものです。ただし、ここで注意すべ き点は、権限委譲には、報告がセットで付いてくるということです。部下に仕事を任せっぱなしにするのではなくて、節目ごとにきっちりと報告をさせることが重要です。

営業管理者は、報告を聴いて、部下の決定の善し悪しを判断してアドバイスをするのです。これを繰り返すことにより、部下は育っていきます。

部下の行動を分析して効率を高めさせる

営業管理者として、部下が忙しそうに働いていると満足感を覚えたり、忙しそうにしている部下に、新たな指示を出すのを遠慮してしまうということはないでしょうか。少し嫌な言い方ですが、忙しそうにしているのと、本当に忙しいのとは同じではありません。

忙しそうにしている部下に、1日の行動を詳しく書き出してもらったら、本当に必要な仕事はそれほど多くはなく、やってもやらなくてもよいような仕事に埋没していたということは、よく見受けられる事態です。

2-8の原則とか、3-7の原則とか言われますが、 本当に重要な2~3割の仕事に、7~8割の時間を使うように指導します。

営業管理者の心得3:営業管理者の部下との付き合い方

営業管理者

営業管理者の心得3は、「営業管理者の部下との付き合い方」です。営業管理者の部下との付き合い方をひとことで言うと、自分の考えを押し付けることはできるだけ避けて、部下の意見に耳を傾け、自主性を引き出すことです。

営業管理者は、部下の考えを聴くことから始める

営業管理者の仕事は、部下を管理監督することですから、当然に部下からの相談事 も増えると思います。このような時に、営業管理者のほうから、すぐに答えを提示して はいけません。

最初に必ずやらなければならないのは、「この問題に対して、君はどう 思う?」とか、「この問題を解決するのに、君ならどうする?」と、部下に聞くことです。

もし、その時に部下が何も答えられなかったら、一度追い返して、「自分なりの解決策を 考えてからもう一度来なさい」と言うべきです。

営業管理者は、できる限り部下の意見を採用してあげる

問題の解決策で、自分と部下とで意見が異なった場合、もし両案に大差がなければ、 できる限り部下の意見を採用してあげましょう。

その理由は、営業管理者と部下との 間で意見が対立したにもかかわらず、営業管理者が部下の意見を採用してくれたな ら、部下にとってものすごくモチベーションが高まると共に、責任重大だと感じてくれる からです。

営業管理者の中には、自分の面子を気にする人がいるかもしれませんが、 実際には懐の深い管理者として、尊敬されるようになります。

ただし、明らかに部下の 意見が間違っているときは、「君の考えはこの点はよいが、この点に関しては問題が あるので、今回はこの案で実施して欲しい」と、部下を認めながら、自分の案を通す 理由を明確に説明するようにします。

営業管理者は、部下を詰問しないように注意する

営業管理者の中には、部下が失敗したときなどに、「なぜ、うまくいかなかったのか、 理由を言ってみろ」と、強い口調で迫る人がいます。

本人は、部下の考えを聴くことか ら始めているつもりなのですが、実際にはそうなっていないのです。このような聴き方 は、質問ではなくて詰問です。

営業管理者が詰問をすると、部下は言い逃れなければな らないと感じて、言い訳を始めます。部下が言い訳を始めると、次に待っている営業管 理者の言葉は、「だから、お前はダメなんだ」です。

これでは、何の解決策も出てきま せん。営業管理者は、適正な現状分析ができるように、部下から状況を把握するための 質問をしなければなりません。

営業管理者の心得4:営業管理者の部下育成のやり方

営業管理者

営業管理者の心得4は、「営業管理者の部下育成のやり方」です。部下育成のやり方は、山本五十六の育て方に学ぶのがいちばんだと思います。部下育成のやり方のエッセンスが、その中にギュッと凝縮されているからです。

俺についてこいでは部下は育たない

今でも、古いタイプの営業管理者には、「黙って俺についてこい」タイプの管理者がいます。部下に対して、自分からは何も教えず、自分のやり方を見て覚えろというやり方 です。

そして、中には「分からないことがあったらいつでも聞きにこい」と付け加える管理者もいますが、実際にはこのような管理者には、誰も何も聞きにこないのが実情で す。

問題は、このようなタイプの営業管理者には、本人は営業実績が高くて、自分の経験上、このようなやり方をしたほうが、部下は育つと信じていることです。

このような 営業管理者には180度、価値観を転換させなければなりません。弊社ではコーチング を教えることにより、見違えるように改善を図ることに成功しています。

営業管理者は、山本五十六の育て方に学ぶ

山本五十六とは、大日本帝国海軍の軍人で、26代と27代連合艦隊司令長官を務め た人物です。人材育成の名人として知られています。山本五十六が語った部下指導の方法は、永遠に変わらない真理だと思います。その彼が語った言葉は、次のようなものです。

それは、「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらね ば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やってい る、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」もはや、この言葉に解説はいらないと思います。

営業管理者の指導は、会社の人事評価システムに沿って育てる

営業管理者が指導した通りに部下が実施したら、業績が高まることはもちろんですが、会社の人事評価上も、プラスになることが大切です。言い換えれば、営業管理者の部下指導と、会社の人事評価システムは一体化していることが大切です。

具体的に言うと、営業管理者は人事評価システムを熟知していて、部下がどのようにすれば 昇格の条件を満たすかなどのポイントを押さえて、部下を指導育成することが重要なのです。

例えば、部下に協調性が足りなくて、人事評価の点数を下げているのであれば、チームを組ませて協調性を高めるように指導するということです。

営業管理者の心得5:営業管理者の組織活性化への取り組み方

営業管理者

営業管理者の心得5は、「営業管理者の組織活性化への取り組み方」です。やや大上段な言い方になりますが、組織の核となるのは、経営理念です。したがって、組織活性化への取り組みとは、経営理念を浸透させることにほかなりません。

営業管理者自身が、経営理念を完全に理解することが大切

営業管理者の研修の冒頭で、経営理念についてたずねることがよくあります。企業に よっては、全員がきちんと答えられる所と、ほとんど答えられない所があります。

また研修が始まる前に、経営理念を唱和している企業であるにもかかわらず、その内容について具体的に説明するように促すと、抽象的なことばかりで、具体的な説明ができない場合もあります。

これでは、営業管理者として、部下に経営理念をかみ砕いて説明することは、困難でしょう。営業管理者は、まず自分自身が経営理念を完全に理解し、具体的な事例によって、部下に分かりやすく、かみ砕いて説明できるようにしておかなければなりません。

営業管理者の最重要な役割は、経営理念を浸透させること

組織とは人が集まって、それぞれの業務を果たすことによって成り立ちます。組織活性化で最も重要なことは、全員の進むべき方向性を1つに指し示すことです。

組織が非効率になっているとか、優秀なメンバーがいるにもかかわらず組織としての力を発揮できないというのは、この方向性がバラバラだからです。

経営コンサルタントとし て、必ずといってよいほど取り組まなければならない業務が、セクショナリズム打破による組織活性化であるという事実からも明白です。

組織を1つにまとめるために、最も重要なものは、経営理念です。営業管理者は、部下に対して、常に経営理念を、分かりやすく語らなければなりません。

経営理念の浸透は5つのステップで実現します

企業として、経営理念を全員に浸透させるためには、5つのステップを実施することが 大切です。第1ステップは、経営理念の意義や重要性を理解させることです。第2ステ ップは、自分の仕事の中で経営理念を具体的にどう生かすのか考えさせることです。

第3ステップは、実際に自分の仕事の中で経営理念を具現化させることです。第4ステ ップは、仕事を進める上で経営理念と矛盾するのではないかという疑問を集めることです。

第5ステップは、すべての疑問に答えて、経営理念こそすべての判断基準だということを浸透させることです。この5つのステップを踏んで、始めて経営理念が本当の意 味で企業経営の核となるのです。

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