社員研修でDX戦略をテーマにするときの進め方と注意点｜社員研修ドットコム

社員研修でDX戦略をテーマにするときの研修の進め方と注意点についてご説明します。DX戦略は新しい概念なので、DXとは？から始める必要があります。そして、段階を追って高度な内容へと発展させます。

社員研修でDX戦略をテーマにするときの進め方と注意点

社員研修で、いま話題のDX戦略をテーマに取り上げるときの研修の進め方と注意点について、7項目に分けて詳しくご説明します。

DX戦略とは何か

DX戦略とは、デジタルトランスフォーメーションストラテジー（＝Digital Transformation Strategy）の略です。企業など組織がデジタル技術を活用して、新たなビジネスモデルを創造したり、業務プロセスや顧客関係を改善して競争力を高めるための戦略を意味します。

DX戦略のベースは、デジタル技術になります。例えば、ビッグデータ、人口知能（AI）、インターネット・オブ・シングス（IoT)、クラウドコンピューティングなどです。データ収集・分析により、優れた意思決定を行うことが可能になります。

企業にDX戦略を導入するメリットとは

DX戦略を企業に導入するメリットは、非常に多岐にわたります。例えば、効率化によるコスト削減、顧客満足度の向上、競争力強化、サプライチェーン構築による全体最適などです。

DX戦略の浸透は、企業における組織改革も迫ります。デジタル活用により、従来の組織の枠組みを超えた効率化や、新たなアイデアを具現化することが容易になります。結果的に、企業文化や組織文化に変革をもたらします。

DX戦略の導入から高度化まで段階を追った研修にする

社員研修でDX戦略をテーマにする場合には、参加メンバーのレベルによって、研修内容を大きく変える必要があることを認識する必要があります。まったく初めての社員には、DX戦略とは？から語らなければなりません。

DX戦略に関して、既に基本的な知識を持っている社員に対しては、より高度で実践的な研修内容にする必要があります。参加メンバーのレベルを把握して、それに合った研修プログラムを作成することが重要です。

DX戦略の研修目的と期待すべき効果を明確にする

社員研修でDX戦略をテーマにする場合には、いまから実施しようとするDX戦略の研修目的と効果を明確にしておくことが大切です。例えば、DX戦略の基本を理解できればよいのか？あるいは実践的に活用できることまで求めるのか？などです。

社員研修を踏まえて、DX戦略に対する理解度を深めることが目的なのか？あるいはDX戦略を全社的に展開するためのプロジェクトに参加するなどして、実際に戦略課題を抽出したり改革にあたることが目的なのか？それにより、研修内容は異なります。

DX戦略の研修では、事例を活用して実践的な内容にする

DX戦略は新しい概念なので、抽象的な説明だけでは、理解度が進まない可能性が高いです。それゆえ、社員研修でDX戦略を取り上げるときには、できる限り事例を用いて、実践的な内容にすることが大切です。

具体的には、これまでのDX戦略の実施効果や課題を提示して、ケーススタディによるグループワークを取り入れるようにします。DX戦略に有効なフレームワークやツールを提供して、実際の業務で活用できるようにすることが大切です。

DX戦略により従来の枠組みを超えた組織改革に取り組む

社員研修でDX戦略を取り上げる際は、従来型のデジタル技術の活用と、DX戦略の違いについて、明確に教える必要があります。簡単に言えば、従来型のデジタル活用は、業務の部分的な効率化が中心だったのに対し、DX戦略は全社的な改革という違いがあります。

それゆえ、DX戦略をテーマにした社員研修では、できる限り多くの異なる部門の社員、さらに役職も様々な社員を参加させて、部門を超えた全社的な見地から検討するように促します。これにより、全社的な組織改革に取り組むスタンスが醸成されます。

社員研修後にDX戦略推進のための継続的なサポートをする

DX戦略をテーマとした社員研修が終了した後には、DX戦略推進のための継続的なフォローアップとサポートを行うことが重要です。DX戦略推進プロジェクトを結成して、具体的な戦略課題の抽出や改善に当たれる体制を整えましょう。

また、プロジェクトメンバーが各部門に戻って推進を図れるように、各部門においても、定期的なミーティングを開催して、DX戦略の推進度合いや成果をチェックできるようにします。DX戦略に対する、組織全体のモチベーションを継続的に高めることが重要です。

まとめ

DX戦略は全社改革につながる非常に大きなテーマです。したがって、社員研修でDX戦略を取り上げるときは、1回ごとの研修目的や効果を明確に決めることが大切です。

会社自体のDX戦略に関するレベル、社員全体および個々のDX戦略に関するレベルをできるだけ正確に把握することが前提となります。そして、各々のレベルに合わせた研修を企画します。

社員研修は、レベルに応じて段階的な研修プログラムを作成しておきます。最終的には、社員研修を踏まえて、DX戦略推進プロジェクトを結成して、選ばれたメンバーには、プロジェクト活動と並行して、さらに高度な学習機会を与えるようにします。