社員研修プログラムと社員研修カリキュラムの違いを明確にした上で、社員研修プログラムと社員研修カリキュラムの各々の作り方についてご説明します。社員研修カリキュラムの作り方は、社員研修全般に共通する内容となっています。
社員研修プログラムと社員研修カリキュラムの作り方
社員研修プログラムと社員研修カリキュラムの違い、及び各々の作り方について、7項目に分けて詳しくご説明します。
社員研修プログラムと社員研修カリキュラムの違い
社員研修プログラムと社員研修カリキュラムは、同義語として使われることも多いのですが、社員研修ドットコムでは、両者の意味を厳密に分けて考えています。両者の違いについてご説明します。
社員研修プログラムは、人材育成の全ステップ、すなわち研修全体の計画や目的、内容、スケジュールなど、研修活動全体を包括的に構成するものを指します。つまり、モデルキャリアプランを実現するための、全社的な研修すべてを包含したものです。
それに対して、社員研修カリキュラムは、個々の具体的な研修内容や順序、詳細な学習項目などを示すドキュメントやプランのことを指します。つまり、社員研修カリキュラムは、社員研修プログラムの一部として位置づけられるものです。
社員研修プログラムはモデルキャリアプランに基づいて作成する
社員研修プログラムの作成は、新入社員として入社したときから退職するまでのモデルキャリアプランを設定して、その成長の過程でどのような知識やスキルが必要かを検討することから始めます。
階層別研修をベースとして、テーマ別研修などを組み合わせて、毎年、実施すべき社員研修の全体像を組み立てます。予算をはじめ様々な制約を考慮した上で、ステップバイステップで成長していけるような社員研修の全体系を作り上げます。
それが社員研修プログラムとなります。社員は、社員研修プログラムすなわち社員研修の全体系を知った上で、個々の研修がどこに位置づけられており、個々の研修同士の段階や関連性を理解した上で、個々の研修に参加することが可能になります。
社員研修カリキュラムの目的と目標を設定する
ここからは、社員研修カリキュラムの作成についてご説明します。まず、今回実施する社員研修の参加メンバーを想定して、明確な目的と目標を設定することが重要です。目的は研修で得られる成果のことを意味します。
例えば、コミュニケーション能力の向上、リーダーシップスキルの向上などです。目標は、定量的または定性的に示されるゴールのことです。例えば、他部門との連携が図れるようになる、チームリーダーとして活動できるようになる、などです。
社員研修カリキュラムは講師と相談して作成する
社員研修カリキュラムは、実際に今回の研修を担当する講師と相談して作成することが望ましいです。そのためには、できる限り早い段階で、今回の研修に適した講師を選定する必要があります。
講師選定には、専門的な知識や経験を持つ社外の人物を招聘するか、内部のエキスパートをトレーナーとして起用するかなど、研修内容や目標に応じて適切な選択を行います。また、講師のファシリテーションスキルや教育手法にも注目しましょう。
社員研修カリキュラムのモジュールの選定と順序づけ
社員研修カリキュラムを作成するには、研修期間や研修時間を設定した上で、今回の研修に適したトピックやモジュールを選定して、それらを適切な順序で組み合わせる必要があります。
具体的には、基礎的な知識やスキルから始めて、徐々に応用や実践的な内容に移行するように順序づけます。そして、研修内容に一貫性があり、論理的なつながりが明確になるように組み立てることが大切です。
社員研修カリキュラムにはアクティブラーニングを導入する
社員研修カリキュラムには、講義に加えて、参加メンバーが能動的に社員研修の内容に関与し、実践的な知識やスキルを獲得できるように、アクティブラーニングの手法を導入することが望ましいです。
具体的には、グループワークやグループディスカッション、ケーススタディやロールプレイングなどを活用すると効果的です。参加メンバーの関心を高めて、実践的な学習を促すことが可能になります。
社員研修カリキュラムを実施するための研修リソースを確保する
社員研修カリキュラムを実施するためには、今回の社員研修に必要なリソース(教材、施設、機器)などを確保して、効果的に活用することが大切です。具体的に準備するためには、対面研修かオンライン研修かを決める必要があります。
参加メンバーのレベルを把握した上で、学習効果を最大化するための資材や環境を整えることです。オンライン研修の場合には、インターネット環境や操作方法の手引きなども準備することが必要です。
まとめ
今回は、社員研修プログラムと社員研修カリキュラムの違い、及び各々の作り方についてご説明しました。簡単に言えば、社員研修プログラムは、社員研修の全体系のことであり、社員研修カリキュラムは個々の研修ごとに作成するものを意味します。
つまり、社員研修プログラムの中の構成要素として、社員研修カリキュラムが位置づけられると考えていただければよいと思います。
したがって、企業が社員研修を実施したいと思った場合には、まず社員のモデルキャリアプランを想定して、それに応じた社員研修プログラムを作成すべきです。研修予算や研修時間の確保も重要な要素となります。
社員研修カリキュラムは、個々の研修ごとの、研修内容と研修スケジュールを組み立てたものになります。今回の社員研修の目的と目標を明確にした上で、最適な研修会社や講師を選定して、講師と相談しながら組み立てるとよいでしょう。
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