社員研修でロールプレイングを実施する方法と注意点|社員研修ドットコム

社員研修でロールプレイングを実施する方法と注意点についてご説明します。ロールプレイングはゲーム的な要素もあり、社員研修の効果的な学習法の1つとなります。上手に活用すると、高い成果が期待できます。

社員研修でロールプレイングを実施する方法と注意点

ロールプレイング

社員研修の主要な学習方法の1つであるロールプレイングの効果的なやり方と注意点について、7つの項目に分けて詳しくご説明します。

シチュエーションを設定して綿密なシナリオを作る

ロールプレイングはゲーム的な要素もあり、楽しく効果的な方法なのですが、いいかげんに実施すると、単なるお遊びで終わってしまう恐れがあります。そうならないように、事前準備をしっかり行うことが大切です。

具体的には、ロールプレイングを実施する目的を明確にして、どのようなシチュエーションで行うのかを決めます。そして、グループ討議などで、ある程度の時間をかけてシナリオを作成してから実施するようにします。

参加メンバーに役割を割り当てる

参加メンバーにどのような役割を演じさせるのか、各々に役割を割り当てます。実際のビジネスシーンを想定して割り当てることが大切です。目的に応じて、上司と部下、顧客と営業社員などです。

ロールプレイングでは、相手の立場に立ってみることも必要なので、実際の役職を入れ替えて、部下が上司をやり、上司が部下をやるなどの手法も効果的です。役割になりきるための準備時間も確保します。

講師が厳密にシナリオを進行する

ロールプレイングは仲間内で行うので、少しふざけた方向に外れることがあります。講師は、本筋からはずれたら厳しくチェックするようにします。また、長く話過ぎたり、沈黙が続いた場合には、少しだけ助け舟を出します。

基本的には円滑に最後までやり遂げさせるようにしますが、もし何度も繰り返し同じ間違いが続いたときなどは、講師はロールプレイングの途中で止めて注意して、そこから後は修正を促すこともあります。

参加メンバーへのフィードバックを行う

フィードバック

参加メンバーは、自らの経験も踏まえながら、できる限りリアルなシナリオに基づいて役割を果たすようにします。ロールプレイングが終了した都度、講師や他の参加メンバーからフィードバックを受けるようにします。

このときに2つ注意点があります。1つは、参加メンバーが遠慮して当たり障りのない内容しか言わないことを防ぐこと。もう1つは、批判だけでなく、良い点も評価させることです。フィードバックにおいては、講師の役割が重要です。

全員が終了したらディスカッションをする

全員のロールプレイングが終了したら、参加メンバー同士でディスカッションをするようにします。個々のメンバーに対する評価を踏まえながら、全体を通じて、共通の問題点を抽出することが大切です。

各々が感じた意見や感想を共有すると共に、他の参加メンバーの視点やアプローチについて学ぶ機会とします。今回のロールプレイから学んだことを整理して、改善の道筋を示すことが目的です。

参加メンバーにレポートを提出させる

参加メンバーが自分がロールプレイングを実施したときに講師や他のメンバーから評価された内容と、グループディスカッションで抽出された共通の問題点や改善策を照らし合わせて、改めて自己の振り返りをします。

それにより、自分の問題点と改善策を整理します。それに基づいて、具体的にいつまでに何をするのかという、改善のためのアクションプランを作成します。これらをレポートにまとめて、提出させるようにします。

継続的なフォーローアップと評価を行う

ロールプレイングは一度だけの実施にとどまらず、継続的なフォローアップと評をすることが重要です。定期的にロールプレイングを含めた社員研修を行い、前回の課題が改善されたか検証する必要があります。

フォローアップ研修では、個々の参加メンバーから、前回のロールプレイングで学んだ内容を現場でどのように活用したかを報告させるようにします。何度もこれを繰り返すことにより、研修内容の定着を図ります。

まとめ

本文のご説明の中でも、何度か触れましたが、ロールプレイングはゲーム的な要素もあるので楽しいのですが、仲間内でふざけながらやると、まったく効果はあがらず、時間の無駄になってしまう恐れがあります。

こうならないようにするのが講師の役割です。シナリオをしっかり作って、実際のビジネスの場面と同様の緊張感を持って、実施させるように導きます。こうすれば、ロールプレイングは非常に効果の高い研修手法となります。

社内でロールプレイングを真剣にやるのは、なかなかハードルが高いので、外部の専門の講師を招いて運用してもらうことをおすすめします。