社員研修でハラスメント研修を実施するときの研修内容|社員研修ドットコム

社員研修でハラスメント研修を実施するときの研修内容についてご説明します。社内でハラスメントが起こると、社員の定着率が低下することはもちろん、被害者からの公表により企業イメージが大きく損なわれます。その意味で、ハラスメント研修は、とても重要な研修です。

社員研修でハラスメント研修を実施するときの研修内容

ハラスメント

社員研修でハラスメントをテーマに研修を実施するときの研修内容について、7項目に分けて詳しくご説明します。

ハラスメント研修でハラスメントの定義と種類を教える

ハラスメント研修では、最初にハラスメントの定義と種類を教えます。なぜならば、ハラスメントを漠然と捉えていて、正確な定義を理解していない社員も多いからです。何となくはわかっているものの、ことの重要性をまだ完全には理解していない社員も多いのです。

研修内容としては、ハラスメントは、性別、人種、宗教、性的指向、障害などの要因に基づいて、他者を不快にさせる言動や行動のことであることを理解させます。主なハラスメントの種類には、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、人種差別、いじめなどがあります。

ハラスメント研修でハラスメントの及ぼす影響を教える

ハラスメント研修では、ハラスメントの及ぼす影響について教えます。まだ企業組織の中には、ハラスメントを軽視している人も多いと思われます。このような人たちに、ハラスメントが組織や個人にどれほど大きな影響を与えるのかを理解させることは非常に重要です。

研修内容としては、被害者の心理的かつ身体的健康への影響や、組織文化への悪影響、企業への社会的な制裁などが生じることを教えます。そして、ハラスメントを防ぐことは、健全な職場環境の構築と社員のモチベーションを高める重要な一環であることを認識させます。

ハラスメント研修でハラスメントの予防と対処法を教える

ハラスメント研修では、ハラスメントの予防と対処法を教えます。ハラスメントを予防し、適切に対処するための手法を学ぶことは、とても大切です。なぜならば、多くのケースでは、意外にも、本人はハラスメントと気づかずに行動しているケースも多いからです。

研修内容としては、予防と対処法を学びます。具体的には、職場ポリシーの明確化、不快な行動の報告手順、適切な支援体制の提供などです。社員は自身の権利を理解し、ハラスメント行為をすみやかに報告することができるようにしなければなりません。

ハラスメント研修でマネジメントの役割と責任を教える

マネジメントの役割と責任

ハラスメント研修では、役員や管理者にマネジメントの役割と責任を教えます。なぜならば、企業の役員や管理者が、ハラスメントの防止と対策に本気で取り組まない限り、ハラスメント問題は解決しないからです。その意味で、役員や管理者の役割は、極めて重要です。

研修内容としては、役員や管理者に、正しいモラルと適切なリーダーシップを持って、職場においてハラスメントを許容しないスタンスを示すことが強く求めます。トップダウンにより、撲滅の意志を示すことで、社員の意識向上と信頼関係の構築が促進されることを学びます。

ハラスメント研修でコミュニケーションの重要性を教える

ハラスメント研修では、コミュニケーションの重要性についても教えます。なぜならば、ハラスメントを防ぐためには、オープンで透明性の高いコミュニケーションが不可欠だからです。自由に意見が言えない環境が、ハラスメントを増大させることにつながるのです。

研修内容としては、社員がハラスメントに対して、自由に議論しやすい環境を作ることで、問題が早期に発見でき、適切な対応が行われる可能性が高まることを学びます。そして、議論を通じて、社員のエンパワーメントを高めることの重要について理解を深めます。

ちなみに、エンパワーメントとは、本来は力を与えるという意味ですが、ビジネスにおいては、企業組織を構成するひとり一人が、本来持っている力を発揮して、自らの意思決定により自発的に行動できるようにすることを意味します。

ハラスメント研修でセクシャルハラスメントの深刻さを教える

ハラスメント研修では、セクシャルハラスメントの深刻さについても教えます。セクハラは、ハラスメントの中でも、特に深刻な問題だからです。裁判などを通じて、ハラスメント問題が社会で大きくクローズアップされるのも、セクハラの問題が多いのです。

研修内容としては、セクシャルハラスメントの具体的なケースや行動パターンを詳しく解説し、どのように避けるか、対処するかを示します。すべての役職の全社員が、セクシャルハラスメントを正しく認識し、適切な行動を取れるようになることを目指します。

ハラスメント研修で企業文化改革の重要性を教える

ハラスメント研修では、企業文化改革の重要性を教えます。なぜならば、ハラスメントは、場当たり的な対応では根本的な解決にならないからです。それゆえ、ハラスメントを撲滅する、予兆があったら即座に対処するという企業文化を作り上げることが重要です。

研修内容としては、参加メンバーに、いかにして会社組織全体でハラスメントを撲滅するかの手順や方法を教えます。組織全体でハラスメントの防止と対処に向けた取り組みを続けることで、肯定的な職場文化が確立されます。

まとめ

ハラスメントは、コンプライアンスを構成する要素の1つなので、コンプライアンス研修の中でも解説されます。しかし、ハラスメントは個人や企業に与える影響が極めて大きいために、独立したテーマとしてハラスメント研修が企画されることが多いです。

ハラスメントの特徴は、ハラスメントを仕掛ける側が、ハラスメントと気づいていなかったり、気づいていても、この程度なら大丈夫だろうと軽視している点にあります。

それに対して、ハラスメントを受ける側は、心身ともに極めて大きなダメージを受けます。この仕掛ける側と受ける側のギャップが深刻な事態を招いてしまうのです。企業はピラミッド組織になっているので、パワハラやセクハラが起こりやすい土壌があります。

そのために、役員や管理者は、ハラスメントに対して正しい知識を持つと共に、積極的に組織風土の改革に取り組んでいかなければなりません。トップダウンで改革しなければ、根本的な解決はできないからです。

それゆえ、ハラスメントに詳しい弁護士を講師として招き、まず役員や管理者を対象にハラスメント研修を実施するべきであると考えます。その後で、一般社員に向けても研修を行って、ハラスメントに関するエンパワーメントを高めることを目指します。

また、研修後も定期的なリマインダーやフォローアップを行い、ハラスメントの撲滅を目指します。ハラスメント研修は一度きりでなく、継続的な教育が重要です。毎年、定期的にハラスメント研修を実施している企業も多いです。

ハラスメントの被害者の告発などにより、ハラスメントが起こっていることが外部に公表されると、企業は大きなダメージを受けます。そうならないためにも、ハラスメント研修を定期的に実施して、早期発見、早期対処の取り組みができる体制を守り続けることが重要です。

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