社員研修でアンコンシャスバイアス研修を実施するときの研修内容についてご説明します。アンコンシャスバイアスは、「Unconscious」と「Bias」を組み合わせた造語で「無意識の偏見」という意味です。見える化して気づかせた後に、企業組織から撲滅しなければなりません。
社員研修でアンコンシャスバイアス研修を実施するときの研修内容
社員研修でアンコンシャスバイアスをテーマに研修を実施するときの研修内容について、7項目に分けて詳しくご説明します。
アンコンシャスバイアス研修で基本的な概念を教える
アンコンシャスバイアス研修では、最初にアンコンシャスバイアスの基本的な概念を教えます。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は、個人が無自覚のうちに持つ特定の偏った価値観や、ステレオタイプに基づく判断や態度のことです。
研修内容としては、無意識の偏見が人間の生活や意思決定にどのように浸透しているかを示す事例を示します。例えば、面接の際に特定の候補者に対してより厳格な評価をする場面を挙げ、それが無意識の偏見の一例であることを説明するなどです。
アンコンシャスバイアス研修で偏見の種類を教えます
アンコンシャスバイアス研修では、偏見の種類を教えます。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を防止するには、見える化して、自覚させることがスタートとなります。それゆえ、偏見の具体的な種類についての知識を持つことが必要です
研修内容としては、性別、人種、宗教、性的指向、身体的外見、障害など、さまざまな偏見の形態について説明します。各種類の偏見に関連するステレオタイプやバイアスを具体的に挙げ、参加メンバーに、それらがどのように発生するかを理解させます。
アンコンシャスバイアス研修で多様性の認識について教える
アンコンシャスバイアス研修では、多様性の認識について教えます。人間は一人ひとり異なる背景や経験を持つことを認識することの重要性について考える必要があります。そして、これは同僚やチームメンバーにもあてはまることを理解しなければなりません。
研修内容としては、個人の生活経験や文化的な背景が、アイディアの多様性と創造性を育む一因であることを教えます。また、自己開示と対話を通じて、参加者に自身の生活経験を共有し、他の人々のバックグラウンドに対する理解を深める方法を学びます。
アンコンシャスバイアス研修で偏見の影響について教える
アンコンシャスバイアス研修では、偏見の影響について教えます。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は、思っている以上に企業組織に与える影響が大きいことを認識させることが重要です。これは、企業の業績にも影響を与えます。
研修内容としては、偏見が職場や組織に与える影響を具体的に示します。例えば、無意識の偏見が採用プロセスに影響を与え、特定の候補者を不当に排除する可能性があること、偏見がチームの協力性や効果性に悪影響を与え、多様性と包括性が損なわれるケースなどです。
アンコンシャスバイアス研修で偏見の克服について教える
アンコンシャスバイアス研修では、偏見の克服について教えます。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を克服するためには、具体的なケーススタディやシミュレーションを通じて、実践的なスキルを身につけることが必要です。
研修内容としては、無意識の偏見を克服する方法として、自己認識と自己監視の重要性、感情の管理方法、他者との効果的な対話技術、バイアスに対抗する方法、意思決定の透明性の向上、およびフィードバックの受け入れ方などについて学びます。
アンコンシャスバイアス研修でチーム内の協力を教える
アンコンシャスバイアス研修では、チーム内での協力と共感の重要性を教えます。なぜならば、無意識の偏見が解消されるためには、個々のメンバーが互いをサポートし、理解し合うことが不可欠だからです。チームが協力して問題解決に当たらなければなりません。
研修内容としては、無意識の偏見を克服するために、チーム内での協力と共感の役割について教えます。参加メンバーに、協力と共感が多様なバックグラウンドを持つメンバーとの効果的な連携にどのように貢献するかを示して、具体的な方法を検討します。
アンコンシャスバイアス研修でリーダーの役割を教える
アンコンシャスバイアス研修では、リーダーの役割を教えます。リーダーの役割には、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が含まれることを認識させて、強いリーダーシップを発揮して、克服に当たることの重要性を理解させます。
研修内容としては、組織内のリーダーが無意識の偏見にどのように対処し、多様性と包括性を促進ればよいかを学びます。リーダーシップポジションにいる人々が無意識の偏見を認識し、チームや組織の文化にポジティブな変化をもたらす方法を考える機会を提供します。
まとめ
企業は人で構成される組織ですから、企業内には、人に関する様々な問題が生じています。その中の問題の1つが、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)です。もしかしたら、この問題は埋もれたままになっているかもしれません。
いちばん分かりやすい例として、本文でも取り上げたのですが、採用面接でアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)により、無意識のままに、本来は採用すべき能力を持った人材を排除しているかもしれません。そして、そのことに誰も気づいていないのです。
この「無意識のままに」「誰も気づいていない」という点がキーワードです。これは採用だけでなく、企業のあらゆる場面で生じているかもしれません。この問題を見える化して気づかせ、克服することで、よりよい職場づくりができ、企業業績の向上にもつながるはずです。
アンコンシャスバイアス研修の内容は、アンコンシャスバイアスの基本的な概念、偏見の種類、多様性の認識、偏見の影響、偏見の克服、チーム内の協力、リーダーの役割などです。
アンコンシャスバイアス研修は、参加メンバーに、無意識の偏見を認識し、それに対処するスキルを身につけさせることを目的とします。この研修は職場の多様性と包括性を向上させ、公平で誠実な環境を構築するために役立ちます。
無意識の偏見が意思決定や行動に与える影響を理解し、具体的な戦略とツールを提供することで、参加メンバーは、より誠実で多様性のある職場を築くための力を身につけます。そして、継続的な学習とフィードバックのサイクルを通じて、持続可能な改善を促進します。
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